2011年 09月 08日
バティック作業を知るために |
教室で使う染めのテキスを更に2種類アップしました。
画像の試作染めサイズはそれぞれがほぼA4です。
完成までに要する時間は月4回、一回受講時間が3時間ですので2カ月ほどはかかります。
一種類の染めの目安です。
バティックを始められる生徒さんが最も戸惑うのは、バティック独特の染めのプロセス、
つまり染める順番と模様を加えるタイミングです。
順番を言葉で説明するのはとても難しい事なのです。
それで、上画像のような見本に従って何種類かのテキストを染めると、おのずからバティック独特の染めプロセスが理解できるようにと、教室には多くのサンプルをストックしています。
「自分の好きな色は染められないのですか!」
「この教室は好きなモチーフも染められないのですか!」
「それじゃ、自己流で染めたいです!」
何人かの生徒さんの不満です…。
ちょっと待ってください!せっかちはバティックには禁物なのですよ。
学ばれる生徒さんとお約束事をお願いしています。
それは、従来の絵を描く概念をすっかり忘れてもらうことです。
また、「我」が強い方は一時我を心の中に閉まってもらいます。
何故ならばバティック作業は生き物のようなロウがあっての地道な作業です。
ロウの性質を充分に理解しなければロウと喧嘩をする事になり、
それはロウ引き作業が上達しないと言う事です。
また布と水のいい関係を理解して、色彩の普遍方程式を知るのは必須です。
バティック作業の最初は技術の訓練作業で、決して簡単な感覚作業ではありません。
「チャンティン作業が自在に出来なければバティックは染められない」
「色彩?デザイン?そんなのはもっともっと先の話しだよ」
と、留学初日にインドネシアの工房の職人さんのお言葉。
今は繰り返し繰り返し生徒さんにこの言葉を伝えています。
美的感覚や制作感性は温存しておいて技術の上達に時間を重ねると、
「バティック作業の面白さは簡単でないと云う点ですね」と、
生徒さんは自ら楽しさを見つけられています。
教室の最終目的は「いずれは自分の好きなモチーフを好きな色で染められる事」なのです。
中田ゆう子「バティックの世界」HPはこちらからどうぞ
by batik-yuko
| 2011-09-08 12:43
| 今日のバティック
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