2006年 06月 30日
彩色は3原色から |
上部の色見本で黄色とブルーの組み合わせを例に、具体的に説明しましょう。
黄色とブルーを重ねるとグリーンに。それぞれの色に濃淡(加える水の量)をつけるとグリーンも濃淡の変化が付きます。それが、左右の見本です。
グリーン地に黄色の模様を入れる場合は、黄色を先に染めた後ブルーを重ねます。
グりーン地にブルーの模様を入れる場合は、ブルーを先に染めた後黄色を重ねます。
その部分を黄色とブルー地に点で表しています。
色重ね前に色止め液を付着して水洗いをするので、水洗い回数は重ねた色の数ほど繰り返します。
イメージに添った色を念入りにパレットで作っても彩色後に乾いた色は濃淡に差が出ます。
私の染色の基本は「色を濁さない」です。
偶然も期待しながら案外大雑把な染色をしています。複雑で微妙な色調は何度も重ねて表れた色なのです。色を押さえた色調やトーンを揃える場合もプロセスを変えると自由自在に表現できます。
私のバティック絵画の技法はインドネシア伝統を拝借して、インドネシア製のロウとチャンティンを用い、染料その他画材は日本製で制作しています。
最初の留学時、インドネシア染色法を日本で行なうのは「無理」が実感でした。それは、色定着の薬品にアレルギー反応を起こしたことと、染料を個人輸入する厄介さがありました。
1度目の留学から戻った私はバティックに適合する日本製の画材を買いあさりデーターを取りながら染料と色止め液の試行錯誤を繰り返しました。
数年程前まで広告関係の仕事でアクリル絵の具を使い続けてきた私には、染色は未知の世界でした。染色は化学反応力で布に色を定着させる事さえも、染色専門書等で知る程の無知でした。
お話にならない程の失敗を一杯繰り返し、幸い、日本の染料と薬品でインドネシア製のロウ線を損なう事はなく絵画制作は可能かな?の染料と薬品を見つけだすとその一式を持参して再度留学したのです。
そして、今まで続けてきた広告の仕事は私流彩色に大いに役立ちました。
印刷は特色を除けとピンク(マゼンダー)ブルー(シアン)黄色(イエロ-)の3原色と黒(スミ)の濃淡の重ね合わせで成り立っています。(カッコ内は印刷用の語です)。
バティック絵画も3原色から染め始めて緻密な模様を加えて色を重ねると様々な色彩と様々な模様が表現できる事に気付きました。
と、いうことはパレットの中で混色せず、3色の濃淡で染め始める訳です。
説明が長いと、かえって判りずらいですね?
中途半端な説明になってしまいましたが、色彩のお話は次回に続けますね。
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by batik-yuko
| 2006-06-30 13:38
| 今日のバティック
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